●製作年:1866年●素材:新生ハードペースト（硬質磁器）●サイズW:23cmH:2.5cm●フランス皇帝:ナポレオン3世参考価格:-￥298,0001850年～60年頃の19世紀全盛期を経た後はマニュアル化のパターンを設けて、大体2パターンの花絵をベースとして展開していきます。今回の作品のバージョンはこのあたりから登場した描画の特徴です。とても迫力のあるブーケですが、その表情は繊細を極めており、もう花絵に関しては無敵の状態と言っていい時代でした。この作品から4年後の1870年から始まる普仏戦争はフランス、そして国家に付随するセーブルにも大きなダメージ（ナポレオン3世がプロイセンに降伏）を与え、絵付、特に花絵に関しては衰退をたどる要因の一つとなります。反してマイセンではブラウンスドルフが登場し、盛り返しを見せて黄金期へ向かいます。両者の転換期を迎える時期の重要な作品群の一つと言えるでしょう。金彩に関しても葉を用いて美しいボーダーラインを飾っており、白磁金彩と花絵と言うあまりにもスタンダードでいながらその洗練さは極上の域に達しています。しかしこの時代のシンプルな作品でさえも市場ではなかなか見られなくなっています。コンディションも素晴らしく、カケやワレの無いとても良い状態です。使われた形跡も少ない貴重な逸品ですので、コレクションや同時期作品を集めればフランス国家レベルの晩餐も行えます。この機会に是非ご検討ください。